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自己破産

一定の条件をクリアさえできれば、債務が100%免責され、全く返済しないままもう一度やり直しできる制度があります。

これが自己破産による免責の制度です。 私は破産者になるのなんてイヤだ。と思われるかも知れません。

しかし、破産制度というものがなかったとしたらどうでしょうか? 破産制度の無い時代、負債を抱えて返せなくなった人は、赤ん坊を間引きしたり、年頃の娘がいれは遊里へ売り飛ばす、さらには一家心中などという選択をする人々が後を絶ちませんでした。

現代においても、破産制度が無ければ、同様のことがあちこちで行われるようになるのかもしれません。

破産による免責の制度は、こういう事態から人々を救う目的で、戦後になってようやく導入されたものです。

たしかに、その一方では下記の様な自己破産によるデメリットもあります。

  1. 1. 信用情報のシステムに登録されるため、おおむね7年間程度は名の知れた金融機関か らの借り入れはできなくなる。
  2. 2. 一定の種類の職業には就けなくなる(会社の役員、警備員や保険外交員、証券外務員 など他人の財産を預る職業、弁護士、司法書士、税理士、宅地建物取引主任者等々)。 しかし、この職業上の制約を受けるのは、破産手続開始のときから免責までの短い期間で、 通常は4ヶ月程度に過ぎません。

    破産は最強の人生再生の手段である、と言い切る人もいるくらいです。
    もちろん、最終的にはご自身の判断となりますが。

自己破産手続について

1. 自己破産手続の開始

自己破産の手続を開始するには「支払い不能」であることを裁判所に認めてもらう必要があります。
そこで、「支払い不能」のおおまかな基準を見てみたいと思います。

支払い不能状態かどうかを大雑把に判断する
  1. 収入から生活必要額を引いた月々の返済可能額を算出し、これに24または36を乗ずる
  2. 一方で負債総額を算出し、返済可能額と比較し、3年かけても返済できないときは、破産手続き開始決定が出る可能性が大

2. 自己破産しても免責されないこともある

以下の場合は自己破産しても免責されませんので、他の債務整理の方法を考えることになります。
  1. 免責決定後7年を経過していない場合は再度免責を受けられない。
  2. 債務が、悪意(故意)の不法行為に基づく損害賠償債務である場合
  3. 債務が、故意または重過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償債務である場合
  4. 破産者が養育者または扶養義務者として負担する費用に関する債務である場合
  5. 債務が、罰金・税金・使用人の給料etc.である場合

3. 自由財産とはどんなもの?

管財事件の場合、破産手続き開始のときに破産者が所有している財産のうち、破産者が自由に処分できる財産を自由財産といいます。具体的には以下のとおりです。

(1)現金99万円まで


(2)差押え禁止財産

  1. 債務者の生活に欠くことのできない衣服・寝具・台所用具
  2. 債務者等の1ヶ月の生活に必要な食料・燃料
  3. 農業従事者の農業に欠くことのできない器具・肥料、並びに次の収穫期まで続行するため欠くことのできない種子その他農産物
  4. 破産手続き開始決定が出たあとに取得した財産は、破産者が自由に処分できる財産です。給与なども破産者が自由に使うことが出来ます。

4. 管財事件とは?

本人に財産がある場合は、破産管財人による破産手続が行われ、不動産や価値のある財産などを売却して、代金を貸主に分配する手続が行われます。

(1) 偏頗弁済型

偏頗弁済を管財人が否認権によって取り戻す必要がある場合

(2) 不当利得型

業者に高金利の返済をしている場合

(3) 免責調査型

免責不許可事由の存在が明らかで、裁量免責を受けるための管財人の調査が必要な場合

(4) 調査型

不動産を所有している場合、負債総額が 5000万円以上の場合等、管財人による調査が必要な場合

(5) 生命保険等清算型

生命保険解約返戻金等換価容易な財産が20万円を超える場合

5. 手続費用(新潟地裁)


(1) 申立手数料(収入印紙代) 1,500円


(2) 予納金 同時廃止事件 10,290円


(3) 予納郵券  (債権者数+20)×80円

6. 同時廃止事件の手続の流れ

自己破産事件には大きく分けて2種類の手続があります。同時廃止事件と管財事件の2つです。

債務者に、換価して債権者に配当するほどの価値のある財産がない場合は同時廃止事件となります。個人破産の大部分は、この同時廃止事件です。

同時廃止事件のおおよその流れは以下のとおりです。

手続の流れ

  1. 支払不能
      ↓
  2. 債権者一覧表の作成
    委任通知・残高回答書の取寄せ
    各種必要書類の準備
      ↓
  3. 破産手続きの開始の申立
    同時廃止の申立
      ↓
  4. 債務者審問
      ↓
  5. 破産手続き開始決定
    同時廃止決定
      ↓
  6. 免責決定
      ↓
  7. 公告
      ↓
  8. 免責の確定

同時廃止事件では、免責の確定までに4ヶ月程度と比較的短期間で終えることができることもあります。

7. 裁判所への提出書類の一例 その1

  1. 破産申立書
  2. 委任状
  3. 陳述書
  4. 資産目録
  5. 家計全体の状況
  6. 債権者一覧表
  7. 債権者一覧表
  8. 住民票
  9. 戸籍謄本

8. 裁判所への提出書類の一例 その2 
  (資産・収入関係等で場合により
  必要になる書類)

  1. 生活保護受給証明書
  2. 年金受給証明書
  3. 給料明細書のコピー
  4. 源泉徴収票のコピー
  5. 過去2年分の確定申告書または課税証明書のコピー
  6. 退職金計算書
  7. 通帳のコピー
  8. 生命保険証書および解約返戻金計算書のコピー(掛け捨て型は含まない)
  9. 車検証のコピー

9. 破産手続開始の申立

必要な書類が揃ったら、裁判所に出向いて、それらの書類を提出します。裁判所の書記官が必要書類が揃っているかをチェックし、不足があれば追完するよう指示をします。

書類が揃って、申立が受け付けられると債権者への通知に使う封筒を手渡されますので、これに各債権者の宛名を書いて、再度裁判所に提出し、同時に予納金の納付手続を行うことになります。

10. 債務者審問

破産申立後、一定期間を置いた後、債務者審問という手続が行われます。
この手続は裁判所の指定期日に本人が裁判所に出頭し、裁判官から質問を受けるという手続です。

債務者審問を無事に通過すると、破産手続き開始決定がなされ、後日、「破産手続開始・同時廃止決定正本」が郵送されてくることになります。

また、審問のときに、免責審尋期日の指定がなされます。

11. 免責審尋と免責決定

債務者審問は破産手続開始決定のための裁判官による質問でしたが、免責審尋というのは、免責決定をするために行われる裁判所による事情聴取のことで、主に免責を許可できないような事由がないかどうかということについて聞かれます。

やはり、債務者審問と同じく裁判所に出頭しなければなりませんが,省略される場合もあります。

裁判官が債権者の異議申立期間を定め、その期間経過後に免責の可否を決定します。免責決定がなされると免責決定書が、裁判所から郵送されてきます。

ここまで来れば、もうほぼ大丈夫。
免責決定が出た旨の官報広告がされ即時抗告期間2週間が経過すると、免責が確定し、自己破産のすべての手続が完了します。

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